法人、会社、企業、事業所、事業場の違い~今更聞けない「組織」の呼び方と定義~
産業保健は、組織とそこで働く人を対象とした活動です。
産業保健を展開するうえで、その組織や働く人、その組織が目指すものを理解することは重要です。
その組織について、法人、企業、会社、企業、事業所、事業場などといった呼び方をされることがあります。
本記事では、法人、会社、企業、事業所、事業場の違いについて解説します。
【目次】
1.法人とは
2.会社、企業とは
3.事業所、事業場とは
1.法人とは
法人を設立して法律上の人格が認められると、法的な権利や義務を行使できるようになります。
法人には、大きくわけて、「公的法人」「営利法人」「非営利法人」に分けられます。
2.会社、企業とは
会社とは、法人のひとつである営利法人に含まれます。一般的に、企業と会社は同じ意味で使用されますが、企業は法律で定義された用語ではありません。
会社は経済活動を行う組織であり、特定の目的を達成するために、資金、労働力、知識、技術などを結集してビジネスを行い、利益を追求します。
会社には下記のような種類があります。
株式会社:最も一般的な形態で、株式を発行し資金を調達します。
合同会社:比較的簡易に設立でき、意思決定の柔軟性がある会社形態。
合名会社:社員全員が無限責任を負います。
合資会社:無限責任社員と有限責任社員が混在する会社。
会社は経済の中心的な役割を果たしており、社会にとって重要な機能を持つ組織です。
3.事業所、事業場とは
事業所とは、同じ所在地にある1つの経営活動が行われる施設(本店、支店、工場、事務所など)を指します。
例えば、工場とその工場の中の売店や食堂などは、事業所として同じものとみなされます。
事業場とは、産業保健の根拠となる労働安全衛生法や、労働基準法で使用される用語です。事業場は、同じ所在地にある同種の業態ごとのまとまりを指します。
例えば、工場とその中の売店や食堂などは別の事業場としてみなされます。
ただし、同じ所在地にはなくとも、出張所や支所などで規模が小さく独立性がないものについては上位の事業場と一括して取り扱うとされています。
3.まとめ
産業保健を実施するうえで、組織について理解することは重要です。
自分の担当する組織について、また法律で使用される際の定義などを正しく理解するようにしましょう。