産業保健スタッフが知るべき自己効力感の高め方とは?職場のメンタルヘルス支援に役立つポイント解説
自己効力感は、「自分ならできる」という前向きな気持ちを意味し、仕事のパフォーマンスやメンタルヘルスに大きな影響を与えます。産業保健スタッフとして、社員の自己効力感を理解し高める支援は、職場のストレス対策や生産性向上に欠かせません。この記事では、自己効力感の基本知識から、個人・企業ができる具体的な高め方までをわかりやすく解説。現場で役立つメンタルヘルス支援のポイントを押さえ、より良い職場環境づくりに役立てましょう。
CONTENTS
1.自己効力感とは
2.自己効力感を高めることで得られるメリットと低い場合のデメリット
3.自己効力感を高める方法
4.まとめ
1.自己効力感とは
自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは、自分がある行動を起こす前に抱く「遂行可能感」のことを指し、カナダの心理学者アルバート・バンデューラ博士が1977年に提唱した概念です。平たく言えば、「自分ならできる」「きっとうまくいく」という感覚のことで、この気持ちが強いほど、「自己効力感が高い」状態といえます。
自己肯定感と自己効力感の違い
自己肯定感とは、「ありのままの自分を無条件に認め、受け入れる気持ち」のことで、自分の存在そのものに対する評価です。一方、自己効力感は自分の行動や能力に対して「できる」と信じ、評価することです。
自尊心と自己効力感の違い
自尊心とは「自分自身の人格、思想、言動に対する自信」や「自らを優秀だと思う気持ち」のことで、「プライド」とも言い換えられます。自らに対して自信を持っている点は、自己効力感と共通しているものの、他者を排除するほどの絶対的な意志というニュアンスも含まれるため、ネガティブな文脈で使われることもあります。
2.自己効力感を高めることで得られるメリットと低い場合のデメリット
自己効力感を高めるメリットを3つご紹介します。
- モチベーションが上がる
- 前向きにチャレンジできる
- ストレスに適切に対処できる
反対に、自己効力感が低いと「自分はできないかもしれない」「どうせ失敗してしまう」と思い込んでしまうため、積極的な行動が起こせず、本人が持つ本来の力を発揮できない可能性があります。ネガティブな思考に陥りやすくなります。
3.自己効力感を高める方法
自己効力感を個人で高める方法をご紹介します。
- 成功体験を積む(達成体験)
- 身近な成功モデルを観察する(代理体験)
- 周囲からの言葉・評価をポジティブに受け止める(言語的説得)
- 心身の状態を把握し、整える(生理的・情動的喚起)
- イメージトレーニングをする(想像的体験)
- 他人と比べず自分軸で評価する
次に、自己効力感を企業で高める方法をご紹介します。
- 1on1・メンター制度の活用
- コミュニケーションの活性化
- 研修機会の提供
4.まとめ
自己効力感とは、「自分ならできる」「きっとうまくいく」という感覚で、仕事や課題に積極的に取り組んでいくための原動力となるものです。モチベーションやエンゲージメントの向上にも重要であり、個人の取り組みだけではなく、企業からの働きかけによって、自己効力感を高めやすい組織・環境づくりも重要です。一人ひとりの自己効力感を高め、生産性の高いチームを目指しましょう。
出典
アドバンテッジJOURNAL
自己効力感を高める方法とは?高めるメリットや測定方法なども解説
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