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【初級編】見た目で差をつける!パワポのデザインのコツとは?

産業保健の現場で、PowerPoint(パワーポイント)を使った資料作成が求められることがあると思います。
初級編の1本目では、作成の第一歩として構成の考え方をご紹介しました!
続く2本目の今回は、パワーポイントのデザインについてまとめました。悩まれる方も多いかと思いますので、この記事を参考にしつつ資料を作成してみてください!

【目次】

1.デザインの4大原則について
 1-1.反復
 1-2.対比
 1-3.近接
 1-4.整列
2.色やフォントでデザインに一工夫をする
 2-1.色や図の持つ特徴を活用する
 2-2.色の違いを用いて目立たせる
 2-3. 適切なフォントを選ぶ
3.グラフでデータを視覚化する
 3-1. 適切なグラフを選ぶ
 3-2. 効果的に活用するポイント
4.最後に

1.デザインの4大原則について

ここでは、デザインを考えるにあたり、知っておくと資料の見た目が変わる4大原則についてご紹介します。
デザインの4大原則とは、情報をわかりやすく整理するための理論です。この原則を踏まえて作成することで、デザインの質を向上させることができます。

1-1.反復

反復|特定のルールを繰り返す

全体のルールを統一し、並列の要素は同じデザインになるようにしましょう。そうすることで、視覚的な理解のしやすさも増して読みやすくなります。また、同じデザインをコピー&ペーストして使いまわせるのでスライドの作成速度自体も上がります。
反復画像

1-2.対比

対比|要素の優先度をデザインではっきりさせる

伝えたい情報を精査し、サイズやデザインで強弱をつけましょう。情報の重要度に合わせてメリハリをつけることができます。重要度の高いポイントを強調し、注意を惹きます。2つの画像を比較してみてください。上の図はただセミナーの内容が羅列されているだけで、何が重要なのかがはっきりしませんよね。
下の図は伝えたい情報をピックアップして目立たせているので、何が学べるのか/日時/講師のイメージが分かりやすくなっています。



対比ロゴ①



対比ロゴ②



〈ポイント〉
・Zoom開催を上に置くことで、参加のしやすさをアピールしている
・セミナータイトル『健康への一歩 食生活を改善するコツとは』について、キーワードを太字&サイズを大きくさせて目立たせ、セミナーの内容を分かりやすくしている
・講師名は読みやすくするためにスペースを空ける
・講師と先生は同じ意味なので、どちらかにする
・開催日時は日付を一番伝えたいので太字&サイズを大きくする

1-3.近接

近接|情報をグループ化する

近接は視覚から情報同士を結び付けるのに必要なテクニックです。グルーピングと余白を使い、関連性を整理していきます。
上の図を見てみましょう。どの人の紹介なのか、バラバラでわかりにくくありませんか。どこから見ていけばよいかもわかりにくいですし、理解に苦しむ資料となってしまいます。
下の図は画像と説明文章を近づけてグルーピングしました。またグループの間に余白を作り出すことで、Aさん~Dさんまでの情報を区別しやすくしています。



▼グルーピングされていない図
近接ロゴ①

▼グルーピングされている図
近接ロゴ②



1-4.整列

整列|各要素にルールを持たせ、意図的に整列して配置する

要素の幅や中心線を合わせて読みやすくし、視覚的な一貫性を保ちます。下記の図はさんぽLABのコンテンツが会員限定なのか、非会員でも見られるのかで整理し、見やすくまとめたものになります。要素ごとにサイズを揃え、シンプルでも読みやすい設計にすることを意識しましょう。

▼整列のイメージ図
整列ロゴ①

2.色やフォントでデザインに一工夫をする

2-1.色や図の持つ特徴を活用する

色の特徴を正しく把握することで、直観的に重要なことや危険なこと、実践すると良いことや悪いことが理解しやすくなります。以下の図表を参考にしてみてください。

配色ロゴ①

図の性質も把握しておきましょう。下記の図では用途が同じだが雰囲気の変わるデザインを並べてみました。是非、比較してみてください。

図形ロゴ①

このように、資料の用途や目的、見せたい印象によって色や図を使い分けることにより、情報が明確に伝わりやすくなります。

2-2.色の違いを用いて目立たせる

カラーユニバーサルデザインという言葉はご存じでしょうか?これは、色の見え方が異なる人でも、情報がきちんと伝わるように色使いに配慮したユニバーサルデザインのことです。以下のようなポイントを押さえて誰でも読みやすい資料を作成してみてください。

〈ポイント〉
・強調したい文字は赤ではなく青を使う。
・複数の色味を合わせるときは、見分けやすいように暗さに大きく差をつける、寒色と暖色を組み合わせる。

また、重要度の高い情報を色の濃淡で強調することもできます。以下の図のように、目立たない部分をあえてグレーアウトさせることで視覚的に重要な情報を得やすくなります。

グレーアウトロゴ①

2-3.適切なフォントを選ぶ

パワーポイントで資料を作成するうえで、フォントの選択は視覚的な印象とメッセージの伝達力に大きな影響を与えます。適切なフォントを選ぶためのポイントを以下で解説します。

①シンプルなフォントを選ぶ
スライドを見る人が内容を一目で理解できることが重要です。そのためには、シンプルなフォントを使うことが必要です。おすすめのフォントは次のとおりです。

・遊ゴシック…文書でよく使われる。シンプルで読みやすい
・メイリオ…視認性が高く、太字対応をしているため、強調部分に使いやすい

②一貫性を持たせる
スライド全体で一貫したフォントを使用することは、視覚的な統一感を保つために非常に重要です。異なるセクションに異なるフォントを使用すると、スライドを見る人が混乱してしまう可能性があります。
タイトル、本文、キャプションなどの各セクションで同じフォントタイプを使用し、サイズや色も統一することで、プレゼンテーション全体が整った印象になります。

③強調する部分を区別する
重要なキーワードやポイントを強調するためには、ボールド(太字)イタリック(斜体)を効果的に使用しましょう。ただし、強調しすぎると逆効果になるため、使用は重要な部分に限定し、視覚的なバランスを保つように心がけましょう。



3.グラフでデータを視覚化する

3-1.適切なグラフを選ぶ

データを図示したいときは、グラフを使いましょう。このとき、目的に応じて使い分ける必要があります。以下、健康診断結果を3つのグラフで示しました。それぞれの違いを見比べてみてください。

棒グラフ|カテゴリー間の比較に有用です。
棒グラフロゴ
例:健康診断結果の項目別の有所見率割合を比較する



折れ線グラフ|時系列のデータの変動
折れ線グラフロゴ
例:健康診断結果における年ごとの特定の健康指標の変化を表す



円グラフ|全体に対する割合の可視化
円グラフロゴ
例:健康状態を「健康」「軽度の問題あり」「重度の問題あり」と分けてその割合を示す

  

3-2.効果的に活用するポイント

グラフやチャートは、データを視覚的に表現し、複雑な情報をわかりやすく伝えるための重要なツールです。しかし、適切にデザインしないと、混乱を招くこともあります。ここでは、グラフとチャートを効果的にデザインするためのポイントを紹介します。

〈ポイント〉
・シンプルさを保つ
 不必要な装飾や複雑な要素を避け、データを明確に伝えることを優先しましょう。
・一貫性の維持
 色やフォントを統一し、全体のデザインとの調和を図ることが大切です。
・ラベルと注釈
 軸ラベル、タイトル、データポイントの注釈を適切に配置し、資料を見る人がデータを正確に理解できるようにしましょう。

4.最後に

今回の記事では、デザインの4大原則、色やフォント、グラフをアレンジすることで、誰にとっても見やすく使いやすい資料を作るための工夫をお伝えしました。前回の記事でも記載しましたが、資料の構成を考えたうえで選んだ情報を、適切な見せ方で提示することで、意図を誤解されずに伝えることができるかと思います。資料を用いた情報発信の目的や対象に合わせて、今回お伝えしたデザインの整え方をぜひ試してみてください!
次回の記事では、応用編として、パワーポイントでの資料作成時にお使いいただける時短術をご紹介いたします!
それでは、次回もお楽しみに!!
▶Coming soon....



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