衛生委員会を毎月開催していると、『マンネリ化してきてしまった』『活発な意見交換がない』などの課題に直面される方も多いのではないでしょうか？
今回の記事では、マンネリ化した衛生委員会から抜け出し、活性化させるためのポイントを5つご紹介いたします。

【目次】

1.衛生委員会とは？
2.衛生委員会を活性化させる5つのポイント
　ア.事業所・経営目線で話をして、経営層の関心を惹く
　イ.衛生委員会を通じて会社の生産性向上に繋げる
　ウ.参加者に発言を促すような仕組みを作る
　エ.小さいことから改善して、PDCAをまわす
　オ.衛生講話のテーマを毎月変更する
3.衛生講話の年間テーマでお悩みの方へ

1. 衛生委員会とは？

衛生委員会とは、従業員の健康被害や労災を予防することを目的として設置されるものです。
労働安全衛生法により、事業所の従業員数が50名を超えると設置義務が発生し、毎月1回以上実施する必要があります。

衛生委員会は委員の構成も法律で定められており、任期については法律で決まりはないものの、1から2年ほどでメンバーを入れ替えている事業所が多いです。

衛生委員会の基本知識については別途記事を出していますので参考にしてみてください。

【参考】
衛生委員会をわかりやすく解説！構成メンバー、議事の流れ、月別テーマ紹介

ここからは、衛生委員会を活性化させるためのポイントについて解説いたします。

2. 衛生委員会を活性化させる5つのポイント

ア. 事業所・経営目線で話をして、当事者意識をもってもらう

『事業所がなぜ取り組むべき課題であるのか』を理解してもらうことが重要になります。
法令の改正情報を提供する際の方法を例に挙げてみましょう。

『改正したので対応しましょう』では重要性が伝わりにくく、当事者意識を持ってもらえない可能性があります。

そこで、情報提供をするだけではなく『事業所が取り組むことによるメリット、取り組まないことによるデメリット』を伝えたほうが、事業所の課題として関心を持つようになります。一般的な例を示すだけではなく、「当事業所の○○部にあてはめて考えてみると」など、自分たちに置き換えて考えやすいような説明がよいでしょう。

イ. 衛生委員会を通じて事業所の生産性向上に繋げる

生産性の向上は、具体的な成果として経営層の目にも入ります。生産性という視点をもって話せるようにすると良いでしょう。「生産性の向上」、「生産性の低下の防止」、「労災リスクの増加（による生産性への間接的な影響）」など、衛生委員会のメンバーが関心を持つポイントを探ってみましょう。

（例）
・残業時間の報告について
過重労働につながったり、疲労により生産が落ちたり、ミスや事故のリスクが増えたりする。
・健康診断がテーマの場合
健康診断の結果を分析すれば、健康課題を把握することができる旨を伝える。
生活習慣病につながり、働き盛りの世代の労働力の損失につながる。

ウ. 参加者に発言を促すような仕組みを作る

発表者が一方的に報告するのではなく、参加者にも話をしてもらい、議論する仕組みをつくるのも重要です。衛生講話についても、産業医が一方的に話すのではなく、参加者に問いかけたり、指名して答えてもらうことによって、当事者意識が強まります。

エ. 小さいことから改善して、PDCAをまわす

まずは、１年間の計画（参考：安全衛生計画）を立てましょう。
計画を立てる際には、評価しやすい視点でたてることが重要です。計画倒れにならないように、まずは小さなことからコツコツ改善していきましょう。

例えば、腰痛対策であればストレッチの方法が載ったポスターを作成して目に入りやすい場所に貼ったり、人事からのお知らせで簡単にできるストレッチ動画を配信するなどです。１つ達成すれば次に繋げやすくなり、PDCAも回しやすくなります。

【参考】
厚生労働省：年間安全衛生管理計画を作成しましょう！(mhlw.go.jp)

オ. 衛生講話のテーマを毎月変更する

季節に合わせて等毎月変えることができると良いでしょう。事業所側の要望に合わせる必要もありますが、毎月取り扱うテーマは変えるようにしましょう。

3. 衛生講話の年間テーマでお悩みの方へ

毎月やってくる衛生委員会の対応で、テーマ選びにお困りの方もいらっしゃると思います。
先日、衛生講話の年間テーマについてご紹介した記事を公開しました。
もちろん、すぐにお使いいただける講話資料もご用意しておりますので、是非ご活用ください。

【参考】
毎月の衛生委員会で悩まない！衛生講話の年間テーマ

作成者：さんぽLAB運営事務局
監修：難波克行先生