ワークエンゲージメントとは?定義や高める方法、測り方を解説
従業員のモチベーションや働きがい向上は、企業において最も重要な課題の一つでしょう。自社の従業員にいきいきと働いてもらいたい、仕事を通じて成長してもらいたい、離職せずに長い年月勤めてほしい、そう考える経営者が注目すべき概念の一つに「ワークエンゲージメント」があります。本記事では、ワークエンゲージメントが注目されている背景や、ワークエンゲージメントの向上がもたらすさまざまなメリット、具体的な高め方について、わかりやすく解説します。
CONTENTS
1.ワークエンゲージメントとは
2.ワークエンゲージメントと関係が深い概念
3.ワークエンゲージメントを高めるために企業ができる取り組み
4.まとめ
1.ワークエンゲージメントとは
■定義
「ワークエンゲージメント」とは、仕事にやりがいや誇りを持つと同時に、働くことで活力を得ている、充実した心理状態を指す言葉で、オランダのウィルマー・B・シャウフェリ教授によって提唱されました。厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」においては、「働きがい」について「ワークエンゲージメント」の概念を用いて分析しています。
同白書では、ワークエンゲージメントを「仕事から活力を得ていきいきとしている」「仕事に誇りとやりがいを感じている」「仕事に熱心に取り組んでいる」の3つが揃った状態と定義しています。
■従業員エンゲージメントとの違い
従業員エンゲージメントとは、従業員と企業の結びつきの強さを示す指標で、明確な定義は存在しません。「従業員エンゲージメントが高い」とは、自社への信頼や理解が深く、組織への愛着、帰属意識、貢献意欲を高く持っている状態のことです。
ワークエンゲージメントのベクトルが「仕事」に向いているのに対して、従業員エンゲージメントは単に個人の仕事への意欲だけではなく、組織との関係性も含めた多様な要素を内包しているといえます。
■構成する3要素
・活力
活力(Vigor)は、仕事に取り組むにあたり、高いエネルギーを持っている状態を指します。活力を備えている従業員には、以下のような特徴があります。
・熱意
熱意(Dedication)は、仕事に強い関心や意欲があり、自らの業務やキャリアに対する誇り・やりがいを持っている状態のことです。
・没頭
没頭(Absorption)は、仕事に集中できている状態を指します。
2.ワークエンゲージメントと関係が深い概念
・ワーカホリズム(ワーカホリック)
ワーカホリズム(ワーカホリック)とは、従業員の活動水準が高いものの、「働かなければならない」と仕事に対して否定的、強迫的な感情を抱いている状態です。
・バーンアウト
バーンアウトとは、従業員の活動水準が低く、仕事に対する感情が否定的な状態です。
・職務満足感
職務満足感とは、仕事に対してポジティブな感情を持っているものの、活動の水準が低い状態で、ワーカホリズムの対となる概念です。
3.ワークエンゲージメントを高めるために企業ができる取り組み
ワークエンゲージメント向上につながる2つの資源として、下記の2つがあげられます。
・仕事の資源
仕事の資源とは、過度な業務量や仕事に対するプレッシャーを和らげるとともに、仕事を楽しいと感じて、モチベーションを高める要因で、外部から与えられるものです。
・個人の資源
個人の資源とは、仕事に対するストレスを軽減し、モチベーションや意欲を高める、その人自身が持つ内的要因を指します。
「仕事の資源」と「個人の資源」は密接した関係にあり、どちらかの資源だけを高めても、ワークエンゲージメントの向上にはつながりません。仕事の資源が充実すると個人の資源も充実する、という好循環を生む環境作りが求められます。
- 業務効率化
- 柔軟な働き方制度の構築
- コーチング・1on1の活用
- 適切なフィードバックと評価
- メンタルヘルスケア対策
4.まとめ
ワークエンゲージメントの向上は、従業員の心身の健康状態に寄与するだけではなく、経営的発展にも大いに役立ちます。働き方が多様化する今、人材管理にも大きな変革が求められていることは確かです。価値ある企業として、厳しい競争社会を生き残っていくためにも、「ワークエンゲージメント」の観点から施策に取り掛かってみてはいかがでしょうか。
出典
アドバンテッジJOURNAL
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