産業医・産業保健師など、産業保健職向けセミナー申込者に対してアンケートを実施しました。
前回の記事では、産業保健職全体を対象に「知識習得・情報収集の方法」と「スキルアップの課題」を整理しています。
前回の記事👉産業保健職490件の回答から見えた“学び”と“課題”の傾向
今回は、現場の中心的役割を担う保健師・看護師にフォーカスして、学び方とキャリア課題の実態を深掘りします。
目次
保健師・看護師の学び方
保健師・看護師の学び方には、他職種と比べて明確な特徴があります。
「広く取り入れ、すぐ活かす」
保健師・看護師の情報収集スタイル
保健師・看護師の特徴としてまず挙げられるのは、情報収集手段の多様さです。
多くの人が活用していたのは、
●研修・セミナー(オンライン/対面)
●専門誌・書籍
●インターネット検索
といった基本的な手段に加え、
●さんぽLABのコンテンツやウェビナー
●SNS
●生成AI
といった新しい情報チャネルも積極的に取り入れている点でした。これは、日々の業務特性とも関係しています。
保健師・看護師は、面談や健康相談、復職支援など、個別ケースに即時に対応する場面が非常に多い職種です。
そのため、
●体系的に学ぶ力(書籍・研修)
●即時に調べて判断する力(ネット・SNS・AI)
を組み合わせた、ハイブリッド型の学びが定着していると考えられます。
スキルアップや学習に関しての課題
多くの人が学び続けているにもかかわらず、共通する悩みがあります。
学んでいるのに迷う理由
「情報の増加」と「判断の難しさ」
一方で、多くの保健師・看護師が感じているのが、学び方そのものへの悩みです。
●情報が多すぎて選べない
●自分に必要な学びが分からない
●学んだことを実務に活かせない
こうした声は、今回の結果でも多く見られました。その背景にあるのは、産業保健の仕事の性質ではないでしょうか。
産業保健の現場では、単に知識や調べた情報の量ではなく、状況に応じて適切に「判断する力」が求められます。
その一方で、知識の蓄積や業務の多様化が進むことで、判断の選択肢が増え、かえって迷いが生じやすくなるという構造も生まれています。
キャリアによって、見えている課題も変わっていきます。
キャリアごとに変わる課題
若手:何を学べばよいか分からない
経験が浅い段階では、
●分野の広さに圧倒される
●実務経験が少ない
ことから、学びの入口でつまずきやすい傾向があります。
中堅:伸び悩みと役割拡大
中堅層では、
●業務の固定化
●成長実感の停滞
といった、成長のスピードや実感への課題に加え、
●後輩指導
●他職種連携
●組織課題への関与
といった新たな役割が課題になります。
ベテラン:学び続ける難しさ
ベテラン層では、
●法令・制度の変化への対応
●新しい技術へのキャッチアップ
といった課題に加えて、新しい情報をとり続けること、学び続けること自体の負荷もテーマになります。
まとめ
多くの人が学び続けているにもかかわらず、共通する悩みがあります。今回のアンケートから見えてきたのは、「何を知っているか」以上に、「どう学ぶか」「どのように現場に活かすか」が現場での実践力を左右しているという点です。
情報があふれる時代においては、自分に必要な学びを見極め、実務に活かす力がより重要になっています。
これからの学びに必要な視点
①集めるから「選び、つなぐ」へ
幅広く情報を収集するだけでなく、自分に必要な情報を取捨選択し、実務に結びつけていく視点が求められます。
②学習機会と情報交換の活用
研修やセミナーの活用に加え、「他職種との情報交換」や「日々の振り返り」などを通じて、学びを整理し深めていくことが有効です。
③学び方そのもののアップデート
デジタルツールの活用も含め、自分に合った方法で学びを継続し、柔軟に更新していく姿勢が重要になります。
今後は、「学び方そのもの」を見直すことが、現場での実践力を高める鍵になっていくでしょう。
判断力を鍛える~さんぽLABケースメソッド~
ケースメソッドは、実際の産業保健の現場に近い事例をもとに、まるで現場に立っているように考える実践型の学びです。
一人で答えを出すのではなく、参加者同士の対話や意見交換を通じて、自分では気づかなかった視点に出会いながら思考を深めていきます。
その積み重ねが、迷ったときに「自分の判断軸」で考えられる力につながります。まずは一度、体験してみませんか?
