キャリア自律?「プロティアンキャリア」とは
産業保健においても「自律」という言葉を目にすることが多くなっていると感じています。
キャリア形成においても「自律」という言葉をここ数年で頻繁に目にするようになりました。
こちらの記事では自律的キャリアともいわれる「プロティアンキャリア」についてまとめてみました。
是非、ご自身のキャリアの参考にしていただければ幸いです。
プロティアンキャリアとは
1976年にアメリカの心理学者ダグラス・T・ホールが提唱したキャリア理論です。
プロティアンキャリアは、自律的なキャリアを築く上で重要な概念です。社会の変化が激しく、変化をしないことがリスクになりかねない現代において、社会の変化に応じて、自分の意思で自由に姿を変え、形成していくキャリアのことです。
「プロティアン」の意味
「プロティアン」という言葉は、ギリシャ神話に登場する変幻自在の神「プロテウス」から派生しています。プロテウスは必要に応じて変幻自在に姿を変えることができる神でした。このように、「プロティアン」は「変化し続ける」や「変幻自在な」という意味を持ちます。
これまでのキャリアとの比較
□伝統的なキャリア
- 主体は「組織」
- 昇進や出世が成功の指標
- 組織内での評価と自分自身の価値がイコール
- 「自分は何を行うべきか」を考える
□プロティアンキャリア
- 主体は「個人」
- 成長したプロセスに重きを置く
- 自分の心理的な満足感と成功が指標
- 「自分が何をしたいのか」を考える
プロティアンキャリアのポイント
・自己成長と学びの重要性
プロティアンキャリアでは、自己成長や学びが成功の指標とされます。個人は自分自身を高め、新しいスキルを習得することで、キャリアを発展させます。
・心理的な満足感と達成感
プロティアンキャリアでは、自分が何をしたいのか、どのような仕事に満足感を感じるのかを重視します。個人の心理的な充足度や達成感が成功とされます。
・柔軟性と適応力
社会の変化が激しい現代において、プロティアンキャリアは柔軟性と適応力を求めます。個人は変化に対応し、自分のキャリアを自由に形成していく必要があります。
・自己実現と自由
プロティアンキャリアは、自己実現を追求する視点からキャリアを考えます。個人は自分が何をしたいのか、どのように成長したいのかを重視し、自由に選択します。
これらの違いから、プロティアンキャリアは個人の成長や自由を重視し、自分自身がどのようにしたいかを基にキャリアを形成します。一方、伝統的なキャリアは組織のために何をするか、組織内での評価や地位の向上を重視します。
伝統的なキャリアが間違っているとか悪いというわけではなく、これらの違いを理解しながら自分に合ったキャリア形成の方法を見つけていくことが大切なのではないでしょうか。
みなさんのキャリア形成において何かの気づきになれば幸いです。