記事

キャリア迷子から抜け出す!産業医・産業保健師のための相談先・支援サービスまとめ

「このままでいいのか?」経験も積んでいるのに、どこかモヤモヤした気持ちを抱えたまま働いている産業医・産業保健師の方は少なくありません。特に30~40代は、キャリアの選択肢が広がる一方で、判断に迷いが出やすい時期でもあります。 
本記事では、「キャリア迷子」状態から抜け出したいと考えている産業保健職の方に向けて、信頼できる相談先や活用できる支援サービスを分野別にまとめました。悩みを一人で抱えず、自分に合った支援とつながるヒントを見つけてください。 


産業保健のプロになる!キャリアに差がつくセミナー多数


<目次>

1.まずは「今の状態」を見える化しよう
2.専門的な視点で相談できる「キャリア支援窓口」
3.気軽に参加できる「コミュニティ」
4.組織外の支援資源も検討する
5.社外での「学び直し」も選択肢に
6.終わりに


1.まずは「今の状態」を見える化しよう 

キャリアに迷いを感じたとき、最初に取り組むべきは「今の状態の整理」です。誰かに相談するにしても、自分の状況を客観的に言語化できているかどうかでアドバイスの質が変わります。自分の経験や価値観を整理することで、本当に求めているキャリアの方向性が見えてきます。 

■キャリア棚卸しシートの活用 

「これまでの経験」「自分が大切にしてきた価値観」「充実感を得た仕事」などを書き出す棚卸しワークは、自分の"軸"を再確認するのに役立ちます。下記の図表は、棚卸しの視点を簡潔に整理したものです。 

【図表1】キャリア棚卸しのチェックリスト

【図表1】キャリア棚卸しのチェックリスト

自分の希望や苦手を「見える化」することで、第三者に相談するときにも的確に伝えられます。

▼キャリアを整理する方法を知りたい方はこちら

産業医・産業保健師のキャリア整理術

2.専門的な視点で相談できる「キャリア支援窓口」 

産業保健職特有の業務内容や職場環境を理解した専門家に相談することで、より具体的で実践的なアドバイスを得ることができます。自分一人では気づかない強みや可能性を発見するきっかけにもなります。

産業保健職向けのキャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、職業選択や働き方についての相談に乗る専門家です。医師・保健師の資格がある人に特化した支援を提供している団体や個人も存在します。以下のような場面で特に有効です。

・今の職場での今後の展開に悩んでいる場合
・異動や転職を視野に入れている場合
・自分の強みや適性を客観的に整理したい場合
・将来のキャリアプランを具体化したい場合


3.気軽に参加できる「コミュニティ」 

キャリアの悩みは、同じ職種・立場の人との雑談や情報交換からヒントを得られることも多くあります。職場では相談しにくい悩みも、同業者のコミュニティなら安心して話せる環境が整っています。

■SNS・オンラインサロン・勉強会を活用

気軽につながれるコミュニティには、次のようなものがあります。

オンラインコミュニティの種類

Slack型の職能コミュニティ:産業保健職同士で仕事やキャリアについて気軽に共有
X(旧Twitter)やnoteでの交流:先輩産業医・保健師が発信するキャリア記事やライフスタイル投稿
有志の勉強会・読書会:キャリアをテーマにした対話型ワークショップも多数

特に現場での孤独感が強い人にとって、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と思える場は大きな支えになります。

▼産業保健スタッフのコミュニティはこちら

リスキリングの方法やメリット

4.組織外の支援資源も検討する 

キャリア迷子の原因が、「会社ではなかなか相談しづらい」ことにある場合、外部の支援機関の活用が効果的です。利害関係のない第三者の視点から、客観的なアドバイスを受けることで新たな発見があります。

■自治体・厚労省系の無料キャリア支援

公的機関が提供する支援サービスは、費用面でも利用しやすく、継続的なサポートを受けられるのが特徴です。

主な支援制度

ジョブ・カード制度(厚労省):職業経歴・資格・今後の希望を記入できるシート。無料相談とセットで使える
都道府県のキャリア支援センター:専門相談員との面談が可能(医療職に強い担当者がいる地域も)

■女性保健師・産業医向け支援も広がる

「育児との両立でキャリアに悩む」「フルタイムが厳しい」など、ライフステージと重なる悩みに応える支援も増えています。

具体的な支援内容

・子育て期向けの短時間勤務可能な職場紹介サービス
・女性医師支援センターが運営する再就職支援
・ワークライフバランス重視の働き方相談


5.社外での「学び直し」も選択肢に 

今後の選択肢を広げたいなら、新たな知識やスキルを学ぶことも大きな一歩になります。専門性を深めるだけでなく、産業保健の枠を超えた学びによって、キャリアの可能性が大きく広がります。

■産業保健×〇〇の学び直し例

◆学びのテーマと活用場面

学びのテーマと活用場面

■学べる場所の例

学習方法別の特徴

オンライン講座:時間や場所を選ばず、動画で体系的に学べるのが魅力です。ビジネススキルやメンタルヘルス対応、マネジメント基礎などを学ぶのに適しています 。
さんぽラーニング:産業医・保健師・心理職向けのオンライン学習サービスで、ストレスチェック・健康教育・職場環境改善など、現場ニーズに即した内容を網羅。実務で使える資料や研修動画も多数提供されており、忙しい中でも効率的に学べます。
大学のリカレント教育(夜間・土日コースも充実):医療・福祉系だけでなく、経営学や人材開発など幅広い分野で社会人向け講座を開講しています。対面とオンラインのハイブリッド形式も増加中です。

▼リスキリングの方法やメリットを知りたい方はこちら

リスキリングの方法やメリット

6.終わりに 

キャリアにモヤモヤを抱えたとき、無理に答えを出そうとすると焦りや不安ばかりが先行してしまいます。そんなときこそ、一度立ち止まり、外部の視点や支援に頼ることが必要です。
今回紹介したような「見える化」「相談窓口」「コミュニティ」「公的支援」「学び直し」は、どれも自分らしいキャリアを取り戻すための手がかりになります。一人で抱え込まず、小さな一歩からでも、ぜひ何か行動を始めてみてください。


さんぽJOB会員登録のメリット


■執筆/監修


<執筆>

キャリア×ライター山崎

動物用医薬品の営業兼エリアマネージャーとして勤務後、人材業界へ転職。キャリアアドバイザーとして医療領域専門のアドバイザーとして個人の転職支援と法人の採用支援に従事。

<監修>

さんぽLAB運営事務局(キャリアコンサルタント)

コメントする